今日も一人でお昼ごはん

コミュ障・人見知りで友達のいないぼっちおばさん専業主婦のひとりごとです。

『わたしの体に呪いをかけるな』

こんにちは。

ちょっと刺激的なタイトルの本、『わたしの体に呪いをかけるな』を読みました。
この本の著者は、体の大きめな女性です。肥満体型の人です。
太っているということで生まれてからずっと受け続けてきた他人からの偏見、差別、侮辱を、なぜ太っているという理由だけで受け続けないといけないのか、それは間違っているとの反論がこれでもかと続きます。

もうひとつ、彼女は女性でもあります。生まれてきたときからずっと受け続けてきた女性への偏見、差別、侮辱を、ひとつひとつ反論し、それは間違ってはいないかと世に問う本でもあります。

意外に感じたのは、アメリカは肥満大国として有名ですし、私がアメリカにいた6年足らずの間に経験したのは太っているのが当たり前でそれのどこが悪いのという、どこ吹く風的な雰囲気で、肥満は悪などという雰囲気はあまり感じられませんでした。
なので、彼女が周囲から絶えず太っていることで嘲笑されたりご親切にやたらとダイエットを勧められたりされていたということに驚きました。
とにかく食事の量が多くて、日本人でもしばらく生活していると間違いなく太ります。

でもやはり肥満はいろんな病気を引き起こすので、アメリカ人もできれば太りたくはないのだということがわかりました。

でも、太っているということだけで、その人をだらしないとか人として大きな欠点をかかえているとか決めつけるのはおかしいですよね。
実は私も少々思い当たる節がありまして、太っている人に対してそのような決めつけをし、見下してもいたこともあったと自覚しました。
太っている=だらしがない、自制心がない、ダメ人間、という感じで。
それって外見、見た目だけで人を判断していることで、やってはいけないことです。普通はそうなのですが、太っている人に対してだけはなぜかそういう決めつけをしているという自覚がなかったのです。

反省しました。
たとえ太っていて生活習慣病を抱えていたとしても、だから見下してもいいということにはならないと、初めて理解しました。

もうひとつの女性差別に関しては、私も生まれてからずっと差別に晒されていたのだと改めて思い知ったところです。

アメリカは日本に比べたら女性の地位はずっと高いはずですが、それでもかなりひどい女性蔑視の文化は残っているようです。

私もここのところ、女性差別が問題視されることが多くなって、そういうことに敏感になっています。

先日も、ラジオで、某著名コメンテーターの男性が、若い人が選挙に参加しないという問題について話しているときに「だってぇ、政治のことなんてわからないもん」とか言ってる若い人がよくいる、と発言しました。これって、若い人ではなく、明らかに若い女性を思い浮かべて発言してますよね。彼はもちろん女性差別などしていないと思っているでしょうが、選挙に行かないのは頭の悪そうな女の子、という思い込みが出来上がっています。そういう無意識的な考えが、ポロッと出てしまう所に女性蔑視の根深さがあると思います。おそらく、それを指摘されても彼はなんのことだかわからないでしょう。

この本の著者の凄いところは、そうやって間違いを指摘することで、アンチからネットでひどい暴言や嫌がらせを受けているにもかかわらず、指摘を止めないことです。
黙っていてはいけない、声に出して反論しないといけない、という彼女の姿には感動します。

武田砂鉄さんも、新聞のコラムで、「昔は良かったななどという爺さんがいたら、たとえ目上の人でも教えてあげないといけない、ダメなものは昔からダメだったんだと」とおっしゃっていました。

反省もし、勇気ももらえた一冊でした。

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読んでいただいてありがとうございました。