学校で教えてほしいこと
こんにちは。
天皇皇后両陛下が続けてこられた慰霊の旅、新聞でその記事を読むと、私の知らなかった第二次大戦で起こった悲劇を教えてもらうことがよくあります。
第二次大戦というと、広島・長崎の原爆や東京大空襲などが取り上げられる事が多いのですが、他にも世界の至る所で悲劇は起こっていました。
日本兵として戦地に送り込まれた朝鮮人や台湾人。朝鮮人は2万人、台湾人は3万人もの犠牲者を出しました。
特に、高砂義勇隊として知られている台湾の原住民の部隊は、熱帯気候や密林での行動に長けているという理由で日本軍に利用され、その勇猛果敢な性質もあって多くの犠牲者を出したそうです。
運良く生き残っても、戦後祖国に帰れば敵国に身を売ったとして差別されるという辛い日々が待っていました。
しかも、戦争が終わると条約によって日本国籍はないとされ、補償金も給料も未払いのままになっている人もいるのです。
私が去年3月、新国立劇場で観た「赤道の下のマクベス」という戯曲は、まさにこの朝鮮人兵の話でした。
日本軍として戦争に参加したために、戦後裁判で戦犯となり、シンガポールの収容所に入れられ、処刑されていった人たちの話です。
アメリカの日系人部隊の悲劇もあります。
真珠湾攻撃のせいでアメリカの日系人は敵国人として財産も身分も剥奪され、収容所に移住させられました。
ひどい扱いを受けながら、再び名誉を回復してアメリカ市民として認められるために多くの若い日本人が志願して戦地に赴いたのです。
彼らは最も危険な最前線に送り込まれ、他の部隊よりも多くの犠牲者を出しました。
自由と平等の国アメリカで生きていたのに、日系人としてひどい差別を受け、自由を剥奪され、その血を受け継いでいる日本を敵として戦わなければならなかったのです。自分や家族を守るためとはいえ、胸の内はどんなに辛かったでしょう。
戦争というのはA国とB国が戦ってA国民とB国民が犠牲者を出すという単純なものではなく、布にこぼした水がじわじわと広がって行くように、無関係な人たちも巻き添えにしていくつもの悲劇を引き起こすものだということを、私は大人になってから知りました。
今の学校でどういう教育がされているのかは知りませんが、私たち日本人が戦争の中で引き起こしたことを、ぜひ子どもたちに教えてほしいと思うのです。それは決して終わった事や関係のないことではなく、これからも私たちが引き受けて行かなければならない事だということも。
愚かな戦争だったと断じるだけではなく、 今の豊かな日本は多くの犠牲者の上に出来上がったのだと思う謙虚さが必要なのではと思いました。
読んでいただいてありがとうございました。
それにしても、大日本帝国時代の日本の上層部の人たちの野蛮さには呆れます。野蛮なエリートといいますか。。。
人権意識のかけらもない、というか人権なんて知らなかったのかな。
兵隊さんや庶民なんて消耗品だったのでしょうね。
でもこういう人権意識のなさは、一部の政治家や企業経営者に今もこっそりと受け継がれているような気がします。