こんにちは。
ポレポレ東中野という映画館で、50人のLGBTの人たちにインタビューしたドキュメンタリー映画、「私はワタシ」を観てきました。
制作責任者は女優でタレントの東ちづるさんです。
まず初っ端に登場するのがゲイで女装家でHIV陽性で義足で車椅子に乗ったおじいちゃん、長谷川博史さんです。(上のパンフレットのおじいちゃんです)
もう彼のインパクトがすごくて、どうしよう、私この映画付いていけるかな、と不安になりました。
その後もゲイやレズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーと、インタビューは途切れることなく続きます。
新しい人が出てくると、名前とその後の括弧にゲイとかレズビアンとかのカテゴリー?の説明が付いてくるのですが、観ているうちにだんだんゲイでもトランスジェンダーでもどうでもいいような気になってきます。
どう言えばいいのか難しいですが、ゲイとかレズとかいうのは彼、彼女の個性の1要素であって、その人の全体を表すことではない、と感じたのです。
そう思えるようになったのはまさにこの映画の啓蒙的な部分が私にストレートに届いたからだと思います。
自分がストレート(異性愛者)で、身近にLGBT者がいないと、やはり他人事になりがちです。
私はLGBTに対して偏見は持っていないから大丈夫なんて思っているのはただの無知で、LBGTが生きていくのにどれほどの困難を背負っているか、そこを私を含め理解できていない人がほとんどではなのでは。
衝撃的だったのは、LGBTの自殺率が高いという事実です。
社会に受け入れられていないことが、本人も知らず知らずに大きなストレスになっていて、誰にも理解されずカミングアウトもできず追いつめられていく人が絶えないということを初めて知りました。。
社会に受け入れられていない、という言い方をしましたが、この言い方がもうすでに差別的です。
今の日本は(おそらく世界のほとんどの国は)、健康で働くことができる成人男性がスタンダードになって物事は進んでいきます。
もっとも強い人が標準になっているのです。
だから少しでも弱みを持つ、健康でない男性、高齢者、女性、子ども、障碍者、LGBTらは、多かれ少なかれ何かしらの無理を強いられて、なんとか折り合いをつけて生きていくしかない。
生きやすい社会とは、誰もが無理をせず、自分をいつわったり隠したりせず、自然体で「私はワタシ」だと言える社会だと、この映画の言いたいことはそこなのかなと思いました。
そういう社会を作るためには、人権とはなにかを小さい頃から教え続けること、それだけでは埋められない所は法律を整えること、この二つが必要です。
よくよく考えてみると、人権についてじっくりと教えてもらったことってなかったように思います。
私が5年生から通った小学校は同和教育がさかんで、被差別部落について毎週勉強する時間がありました。
それは人権について学ぶというよりは、差別はいけないということを徹底的に叩むための時間でした。
その頃は、毎年人権週間になるとそれにちなんだポスターを描かされたので本当に困りました。人権が何かよくわかっていない小学生に人権週間のポスターは難しすぎます。大人だって難しいと思います。
話が逸れてしまいました。
あの人はレズだからこう、ゲイだからこうと決めつけるのも間違っているし、トランスジェンダーは性同一性障害という「障害」だとして病気扱いするのも間違っています。
最初にも書きましたが、ひとりひとり違っていて、その人の個性の一つがLGBTなのだと、この映画で教えられました。
それだけでも観て良かったと思います。
上映後に東ちずるさん司会のトークイベントがありました。
東ちずるさんお綺麗でした。バイタリティ溢れる方ですね。
私のイメージは、お料理番組の面白いアシスタントさんのままです。
亡き母がその料理番組が大好きだったので。
この映画はおそらくこれからも様々な場所で公開される機会があると思いますので、チャンスがあれば、ぜひご覧になってみてください。
読んでいただいてありがとうございました。