今日も一人でお昼ごはん

コミュ障・人見知りで友達のいないぼっちおばさん専業主婦のひとりごとです。

「アマンダ」ある日突然奪われる日常 (東京国際映画祭)

 

 

こんにちは。

今回は東京国際映画祭で観た最後の映画、「アマンダ」を紹介します。

この作品はコンペティション部門でグランプリおよび最優秀脚本賞に選ばれ、来年夏に日本でも公開される予定です。

 

ですのであまりネタバレしない方がいいかと思うのですが、ストーリーはとてもシンプルで、最後にどんでん返しがあるような作品でもないので、ネタバレしてもあまり影響はないかと思います。

 

この映画の主人公はダヴィッドという24歳の若者です。パリに住んでいて、植木の剪定や、外国人向けの短期賃貸アパートの管理人などをして日々忙しく働いています。

ダヴィッドにはシングルマザーの姉がいて、その娘が7歳のアマンダです。

姉が忙しくて小学校にアマンダを迎えに行けないときは代わりにダヴィッドが迎えに行ったりして、姉を助けています。アマンダも優しいダヴィッドによく懐いています。

 

ある日ダヴィッドの管理するアパートに、レナという若い女性が引っ越して来ます。間もなくダヴィッドとレナは恋に落ちます。

 

そうして忙しいながらも充実した毎日を送っていたダヴィッドでしたが、ある日突然その日常は奪われてしまいます。

無差別テロによる襲撃で、ダヴィッドの姉が命を落としてしまうのです。

 

突然肉親を亡くしてしまう事態に巻き込まれて呆然とするダヴィッドとアマンダ。でも悲しみに暮れている暇はありません。

親を失ったアマンダをこれからどうするのかという問題に、ダヴィッドもアマンダ自身も直面するからです。

 

ダヴィッドは穏やかで、優しく、真面目な働き者の若者です。アマンダも素直な可愛らしい少女です。二人は仲良しです。

だからといって、この24歳の青年に7歳の女の子の親になれと言われても、そう簡単にはいきません。

ダヴィッドは悩みます。まだ何もかも未熟な自分が突然7歳の子どもの親になれるのかと。

 

でも日常は容赦なくダヴィッドを現実に引き戻します。

同じく無差別テロに巻き込まれて負傷した恋人のレナは、「今の私にはダヴィッドとアマンダを支えることは出来ない」と言って彼の元を去ってしまいます。

恋人の支えを失ったダヴィッドは、仕事とアマンダの世話に追われ、冷静さを失い、何かの拍子に感情が抑えきれなくなり、涙が止まらなくなってしまったりもします。

それでも、母を失って時々情緒不安定になるアマンダを懸命に支えようとします。

 

ダヴィッドがアマンダの父親になる決心をする過程を、この作品は実に丁寧に描いていて、それがこの作品の真骨頂と言えると思います。

この丁寧さがグランプリに選ばれた理由なのではないかと思えるほどです。

ストーリーの動きがほとんどない中で、映像はダヴィッドとアマンダの心の動きを丁寧に追い続けます。観ている私の心も徐々にこの二人に寄り添っていくような感じがしました。

 

 

 

素晴らしい作品だと思います。

来年夏の公開時には、ぜひぜひ、劇場に足をお運びください。

温かい感動で胸がいっぱいになります。

 

3作品しか観ることができませんでしたが、東京国際映画祭、行って良かったです。来年も行きたいですね。

 

 

2001年にアメリカで起こった同時多発テロ事件で、今日と同じ明日が続く保証などどこにもない、ということを私は初めて知りました。

あるのが当たり前だったワールドトレードセンターの2つのビルが、ある日突然消えてなくなってしまったのですから。

 

その後の震災や豪雨による被害などでも、「普段の生活」「いつもの暮らし」が一瞬で奪われてしまうことがあるということを、嫌と言うほど見せつけられてきました。

 

にもかかわらず日々のしょうもないことに文句ばっかり言っている私(笑)。

これからは、しょうもないことに文句が言えるのがどれほど幸せな事か、その幸せを噛み締めながら生きていこうと思います。

なんにでも「ありがたや、ありがたや」と言ってしまうようなおばあちゃんを目指します。

 

引きこもり主婦のカテゴリーでは、映画の感想の需要はほぼないので、こんな記事は誰も読みません(笑)

そんな中で、ここまで読んでくださったあなたに、心から感謝申し上げます。読んでいただいて本当にありがとうございました。m(__)m

 

 

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