集団の恐ろしさ
こんにちは。
ジェーン・スーさんがパーソナリティーを務めている「生活は踊る」という番組の中の、「相談は踊る」というコーナーが大好きです。
とは言っても仕事中で聞けないので録音しています。時間のある時にときどき聞いている感じです。
シリアスな悩みからトホホな悩みまで、あらゆる相談をスーさんがバッサバッサと片づけていくコーナーで、その解決方法がお見事で、毎回素晴らしい～と心の中で拍手しています。
今までで特に印象に残った相談は、「アマチュアのオーケストラに入ってその楽しさにのめり込み、とても充実した時間を過ごしている、と思っていたら、突然、その会の代表に、辞めてほしいと言われた」という内容でした。
その方（５０代）はそのアマチュアオーケストラに何年も（１０年以上だったかな？）所属して、ソリストを務めるほど活躍したそうです。仲間もできて、その活動に夢中になって、身も心も捧げました。
気が付けばその中ではもうベテランになっていて、自分では気が付かないうちに周りから疎んじられる存在になっていたということらしいです。
でもご本人はなぜ辞めさせられるのか、明確な理由がわからなくて、その理由をはっきり教えてほしいと伝えました（そりゃそうでしょう）。
でも、「その無自覚さがダメなんです」と、理由は全く教えてもらえなかったそうです。とにかく辞めてほしい、の一点張りだったと。
５０歳を過ぎてのこの経験はものすごいダメージですよね。
アマチュアの団体でもそんなことってあるんだと私も驚きました。
それでフッと思い出したのです。前の職場での経験を。
私が雇われたとき、事務の正社員は女性一人でした（Ａさんとします）。
まだその頃は仕事の量がそれほど多くなかったので、作業の正社員６人とその事務の女性１人でなんとか間に合っていました。
Ａさんは、事務の仕事を手伝うパートが欲しいと募集をかけて、そこに私が入りました。（私の前に２、３人勤めたそうですが、いろいろ本人に問題があって短期間で辞めていったそうです）
Ａさんは私より５歳年上で、入社した時、前任者が会社と揉めて辞めたので、わずか２日ですべての仕事の引継ぎをしたそうです。仕事は出来る人でした。電話の応対も上手かったですね。
地元の出身で、小中高と、有名なお嬢様学校を卒業し、大学は国立の、頭がいいだけでは入れない、ちょっとすごい所を出ています。
にしてはお嬢様っぽいところはほとんどなく、気が強く、姉御肌、と言った方がいい感じの人でした。
私がパートとして入ってから、徐々に仕事が増え始め、人事から正社員になるかパートの時間を増やしてほしいと言われたのですが、断ったので、また新しくアルバイトの募集をかけました。
で、私より少し年上の、とても優しそうな女性が入ることになりました。
彼女は面接でパソコンは多少できると言っていたのですが、いざやらせるとほぼできず、しょうがないので私が付きっ切りで教えていました。
でもＡさんはそんな甘くはありません。
けっこうキツく当たっていました。
その結果、その女性は１週間で辞めてしまいました。
いい人だったので私はとても残念だったのですが、あの気の強いＡさんの元で働くのは無理そうだったので、さっさと見切りをつけたのはナイスだったと思います。
見ようによってはＡさんの意地悪で新人さんが辞めたとも言えます。
でもパソコンができると偽って入ってきた彼女にも非はあります。
Ａさんは仕事が出来ない人には男でもキツく当たっていました。
そのＡさんは、それから５年くらいたった後、会社から追い出されました。
持ち前の気の強さで他の社員といろいろ衝突していたようで、特に、支店長から嫌われていたようでした。支店長といっても処遇的には彼女と同等の地位でした。
私の後から入った正社員の事務の女性も（Ａさんが面接をしてとても気に入った人でした）、彼女のことが大嫌いだったようで、最初は表面的には上手くやっていましたが、最後は口もきかないような状態になっていましたね。
私は後から入ったその女性の方が怖かったです(笑)。Ａさんに負けず劣らず気が強く、そのうえ性格も良いとはいえなかったので。
社員たちはＡさんをなんとか辞めさせようと追いつめて行って、彼女がポロッと「こんな会社辞めてやるわよ！」と言ったのを聞き逃さず、退職に追い込みました。
恐ろしい話です。
彼女は平和に穏やかに事を進めることができない性格でした。
支店長や他の社員にすれば仕事をするうえでやりにくかったのかもしれません。言っても素直に聞き入れない人なので、もう辞めてもらうしか方法がなかったのかもしれないです。
すべての社員から裏切られたとわかった日から、Ａさんは仕事をしなくなりました。会議室に籠って電話をし続けていました。おそらく弁護士に相談していたのだと思います。
そしてある日、荷物の整理もしないまま、来なくなってしまいました。
そのあと本社から人事担当者がやってきて、一人一人に面談をし、私も「Ａさんのことでご迷惑をかけて申し訳なかったですね」と言われたのですが、正直、私はなんの迷惑も被っていなかったので、「そんなことはなかったです」と答えるしかありませんでした。
Ａさんが私のことをどう思っていたのかはわかりませんが、特に意地悪をされたことはなかったです。小馬鹿にしてた可能性はありますが(^^;)
Ａさんがいなくなって、時折彼女の話が出ましたが、やれ「更年期障害だったんじゃないの」とか「自慢話ばっかりだった」とか「あの性格じゃあ家族ともうまくいかないよね」とか、悪口三昧でした。
でも、そういう理由で袋叩きに合って辞めさせられるのね～と、薄ら寒くなりましたよ。
集団って怖いと思いました。
アマチュアオーケストラを辞めさせられた女性は、Ａさんほど性格に難があったとは思えませんが、同じような状況だったのではと想像できます。
おそらく、その会の代表の人に嫌われたのでしょう。メンバー全員から嫌われていたわけではなかったと思います。
でも、会社ではないのだから、もっと他の方法があったのではないかと思います。やんわりと注意するとかお願いするとか。いきなりクビ！は、やはりひどいやり方なのでは。
でもそんなことをすれば、やがてした方も同じことをやられると私は思います。因果応報というヤツで…
前の会社のことはまた書きたいです。いろいろあったので。
読んでいただいてありがとうございました。
