こんにちは。
映画「焼肉ドラゴン」を観た。
劇作家・鄭義信さんが自身の戯曲を初めて映画化した作品だ。
一昨年、新国立劇場で彼の劇を観て衝撃を受けて以来、ファンになった。
その後、「すべての四月のために」と「赤道の下のマクベス」も観た。
お芝居の「焼肉ドラゴン」も観たかったのだが、すでに上演が終わってしまっていて、観ることはかなわなかった。それで、ひそかに再演を願っていたら、なんと映画になって戻ってきたのだ。
鄭さんの作品は、在日韓国人が主人公でストーリーは過酷だ。
登場人物は皆、これでもか、これでもかと運命に打ちのめされる。
その理不尽さへの怒りが、どの作品にも通低音のように鳴り続けている。
でも、その怒りと悲しみを全て覆ってしまうほどの優しさが満ちあふれているのだ。
優しさというのは悲しみに裏打ちされているということを改めて知り、涙が止まらなくなる。
鄭さんの舞台は音楽を久米大作さんが担当していることが多いが、この映画もやはり久米さんだった。
鄭さんの優しいストーリーに久米さんの優しい曲が流れると、もう心がガクガクに揺さぶられてしまう。
真木よう子さんの演技も良かったけど、アボジとオモニの演技は圧巻だった。
悲しい話なのに観終わった後、心がじんわり温かくなった。
そしてもちろん、鑑賞後は焼肉屋さんへ(笑)
読んでいただいてありがとうございました。