ご近所付き合い
こんにちは。
近所に親しい人が一人や二人いるのが普通だと思うけど、私にはそういう人は全くいない。それはひとえに私のコミュ障のせいだ。
唯一、会えば立ち話くらいはする、娘と幼稚園がいっしょだったお母さんが近所にはいるが、親しい人ではない。
彼女と話をしても、なんというか、話が通じていないというか、???になることが多くて、会話しづらいのだ。
まあそれは置いておいて、私が住んでいるのは建売住宅5軒の中の1軒。
形や大きさや価格が若干違うものの、一目で建売だとわかる感じだ。
引っ越してきた当初は、お互いに挨拶もきちんとしたし、私はそれなりにお付き合いできるものと思っていたが、そうはならなかった。
お隣のAさんはもう子どもも大きくて、一家の主は会社を経営しているお母さんだ。
はなから近所付き合いをするつもりがなさそうな人だった。
ゴミ出しとか、マンションはいつ出してもよかったのに戸建ては面倒だとかなんとかぶつくさ言っていて、ならずっとマンションに住んでおけばいいのにと思った。
案の定、ゴミの出し方がいい加減だとB家の奥さんに怒られて、ずいぶんシュンとなっていたことがあったっけ。
Aさんはこの地域に溶け込もうなんて気はさらさらなさそうだから付き合う必要もないと思った。
Cさんはうちと同じくらいの子どもがいるおうち。でも学年が微妙にズレていて、子どももサッカー大好き兄妹でうちとは趣味も合わず、挨拶はするものの、特に親しくなることはなかった。
ある日その家に用があって訪ねたとき、そこの奥さんがびっくりするようなガラの悪い言葉で子どもに怒鳴っていて、外ではあんなに感じがいいのに、人は外見だけではわからんものだと妙に感心した。
Bさん家は子どもは一人。
娘と年も近いので、最初の1年くらいはお土産を交わしたりしてそれなりに付き合っていたが、次第に疎遠になって、もう言葉をかわすこともなくなってしまった。
実はその奥さん、お子さんがまだ小さかった頃、怒って子どもにヒステリックに怒鳴り散らす声がよく聞こえて、正直怖かった。
うちは彼女に怒られたことはないけれど、近所の人にものすごい剣幕で怒鳴っていたこともあった。
理不尽なことで怒っているわけではないのだが、どうしてあんなにヒステリックになってしまうのか、私には理解できない。
とても親しくなれそうにはないなと思った。
Dさん家は子どものいない夫婦二人暮らし。うちより若く、特に付き合いはないけれど、穏やかで一番話しやすい人達だ。
旦那さんが車関係の仕事をしているので、うちの夫が車好きなのもわかっていて、同類だと思われている節がある。彼らに嫌な思いをしたことは一度もない。
そういうわけで、ここの5軒はそれぞれ全く付き合いができていない。
ここに住み始めてもう10年以上になるが、たぶんこのまま親しくなることもないだろう。
近所付き合いのことを考えると、いつも思い出すのは実家のことだ。
実家は新興住宅地で、出身も家族構成もみんなバラバラだった。
それでも、自治会を作り、自治会館を建て、子どもたちのために地蔵盆のお祭りをしたりして、近所がまとまるように地域で努力をしていた。
近所付き合いも、私から見ると、付かず離れずのちょうどよい距離を保っていて、うまく付き合っているなあと思っていた。
もちろん、家の中ではご近所さんの噂話や悪口も言ってはいたが、本気で嫌ったりすることもなく大人のお付き合いをしていたと思う。
大人の知恵で、いざという時には助け合えるような関係を維持する努力をしていたのだと思う。
今はもう代替わりして、親の世代はもうほぼいなくなり、うちのように跡形もなく消え去ってしまった家もあるので、自治会が前のように生きているのかどうかはわからないけれど。
それに比べると、我が家も含め、うちの近所は全然ダメだと思う。
一応町内会はあるけれど、それは古くからあるものに半ば強制的に入らされたものなので、みんな仕方なく与えられた仕事をしているだけだ。
いざという時に助け合えるかどうか、甚だ心もとない。
コミュ障の私が言うのもなんですが、もう少し大人の付き合いが出来ると思っていた。
東京という土地柄もあるのかもしれない。
トラブルに巻き込まれないよう、出来るだけ余計な人間関係を作らないように身を潜めているような雰囲気がある。
うちの近所だけではない。
ここらへんでは立ち話をしている主婦をあまり見かけない。
たまに見かけるのはかなり高齢のおばあちゃんたちか、犬の散歩をしている人たちくらい。
マンションは近所付き合いがほぼないけれど、それがそのまま戸建てになった感じだ。
親の世代と比べると、全体的に子どもっぽいと思ってしまう。
面倒でも何でも、会えば一言二言言葉を交わすようにしておけば、もう少し雰囲気もよくなると思うんだけどなあ。
半年ほど前から、お隣のAさん家に、そこの奥さんのお母さんが引き取られて一緒に暮らすようになった。
おそらく80才は超えているおばあちゃんだと思うけれど、そのおばあちゃんは私と会えば、玄関先のお花が綺麗だとかなんとかいろいろ話しかけてくる。
私も普通におばあちゃんと会話をしている。
おばあちゃんが私のことをどう思っているのかは知らないけれど、会えばこうやって挨拶をして一言二言話をするのが普通だと思うのだが、そういうのはもう古いのだろうか。
親しくならなくても、少なくとも敵ではないという意思表示はしておきたいと思うけれど。
読んでいただいてありがとうございました。