日本の主婦は大変
こんにちは。
駐在員妻としてニューヨークに5年半滞在しました。
たったの5年半なのであまり偉そうなことは言えませんが、日本の主婦業はやはり大変です。
要求されるレベルが非常に高いからです。
掃除と洗濯に関しては、日本が温帯モンスーン気候で(最近は亜熱帯のようですが)、常に湿気&カビと戦っていかなくてはならない、というのが負荷をかけていると思うのです。
ロンドンにも1年住んだことがあるのですが、ロンドンにしてもニューヨークにしてもカラッと乾燥した日が多く、ほっておいたらいろんな物にいつの間にかカビが生えていた、という事態はあまり経験しなくて済みます。ほぼすべての物が、ほったらかしでも大丈夫なのです。
日本だと、お天気が良い日には、お布団干さなくちゃ、大物のお洗濯しなくちゃ、靴箱のお掃除をしなきゃ、衣替えしなきゃ、ということになって、主婦は仕事が増えて大変です。
ニューヨークは、たいていのアパートには個々の部屋に洗濯機がありません。洗濯するときはアパートの中にある(ないアパートもありますが)コインランドリーへ25セント玉を握りしめて向かいます。
面倒なのとお金がもったいないのとで、洗濯の回数も少なくなります。子供が生まれる前は、洗濯は週1回しかしませんでした。
洗ったら即乾燥機へGO!なので、パンパン!とたたいてしわを取ってハンガーにかけるなどの、干す、という作業はなくなります。
乾燥機からカラカラに乾いたくしゃくしゃの洗濯物を取り出して、ホコリまみれのテーブルで畳んで洗濯は終わりです。周りは黒人やヒスパニックの家政婦さんたちが多かったかな。
食事の準備も簡単です。アメリカのシチュエイションコメディーとかだと、晩御飯はパスタに瓶入りのトマトソースをそのままドバっとかけて、サラダを付けて終わり、というシーンをよく見ました。
実際にそんなひどい食事なのかどうかは知りませんが、息子が通っていた現地の幼稚園のお子さんたちのお弁当は、もうびっくりなレベルでした。
紙袋の中にリンゴとピーナツバターサンド、というのは有名な話ですが、中には、登園途中にピザ(具がないただのチーズピザ)を買って来て、お昼に食べさせて、とそのまま先生に渡している親もいました。いくら温めなおしても、それは不味かろう(;^ω^)
容器の中にオレンジ色のどろどろのチーズとマカロニが入っていて、それを温めて食べるというのもありましたし(マカロニ&チーズという物です)、シリアルだけとか、朝ごはん用に通りで売っているベーグルにバナナとか、そんなんばっかりでした。
アングロサクソン系の人たちは、食べることにあまり執着がないのでしょうね。
翻って日本ですが、晩御飯は一汁三菜、和え物煮物焼き物揚げ物、味が被らないように気を配り、栄養バランスも考えて、だいたい2時間ほどかけて毎日作っているのではないでしょうか。
毎日毎日ほぼ365日、料理番組やレシピ本やCOOKPADを見て、家族が喜びなおかつ栄養バランスも良い献立を考えているのです。
しかも和食洋食イタリアン中華と、日本の主婦は何でも一通り作れますよね。
というか、それくらいは出来るだろうと、世の中から当然のように思われているのです。ものすごい高いレベルの仕事を要求されているわけです。
これは大変なことですよ。
ニューヨークから3歳の息子と生まれて半年の娘をかかえて帰国し、夫の会社の社宅の一室でトランクルームから運び込まれた膨大な荷物と船便でニューヨークから届いた荷物とに囲まれ、茫然としていた自分を思い出します( ;∀;)
その私に追い打ちをかけたのが、幼稚園でした。
家の近くの幼稚園にすんなりと入園が決まり、その手続きのために先生とお話をしていたのですが、園の規則など事細かに書かれたプリントをどっさり渡され、そこで先生が何気なく、
「お子さんの持ち物は全部お母様の手作りでお願いします」
とおっしゃったのです。Σ(・ω・ノ)ノ!
頭が真っ白になりましたがひきつった笑顔でおいとまして、帰宅してプリントを見て再び茫然となってしまいました(笑)
トートバッグに上履き入れ、体操服入れ、コップ入れにお弁当箱入れ・・・10種類くらいあったでしょうか。
一応嫁入り道具のミシンはあったので、手芸屋さんに何度も通って材料を購入し、作り方の載っている本を見ながら下の子をあやしつつの作業が続きました。
スモックには手作りの新幹線のアップリケも付けました(息子はすでに立派な鉄オタでした)あ、そういえば娘の幼稚園はスモック自体が手作りだったっけ(;´∀`)
あの頃は私も若かった。実家も遠く、頼る人もいない中、日本のお母さん大変すぎるとブツブツ言いながら頑張りました。(社宅には親切にしてくれた奥さんもいましたが)
でも、別に手作りでなくてもいいんじゃないかな。
作ってる時間を子供と遊ぶ時間に回すほうがいいんじゃないの?
今はもうそんな習しはなくなってるのかしら。
私はまだそのころ専業主婦でしたからなんとかなりましたが、これがお仕事もしているママだと、この膨大で高レベルな家事をどうやって片づけているのか、考えただけで気が遠くなります。
日本の女性の睡眠時間が世界一短いというのも頷けます。
特に、パート兼業の主婦は、「家事に支障のない範囲で働く」ことを前提にしているので、少々きつくても家事の手を抜くことは許されないのです。
アメリカ並みの家事で済むのなら楽なのにと思います。それに、アメリカの男性はよく家の中で働きますしね。
長々と読んでいただいてありがとうございました。